6月5日(土)、緊急事態宣言下にある中でしたが滞りなく定例研修会を開催することが出来ました。
テーマは「自分らしく、より生き切るために~認知症・地域包括ケア・ACPなどの理解を交えて~」、講師には医師で日本老年精神医学会専門医の園田薫氏をお招きすることが出来ました。
今回は会場無観客でのオンライン配信です。

  

「認知症になったら終わりなのか」の問いに、園田先生は1972年に出版され大ベストセラーになった「恍惚の人」の認知症感からの脱却が必要だと強く訴えられます。
障害とは、本人の要因だけでなく社会的環境との関係で生じてくるものと定義し、認知症でもサポートがあれば障害はなくなるもの、社会を変えることで障害はなくなると丁寧に解説。ユニバーサルデザインにも話が及びました。
レジュメに沿った平易な説明に認知症への誤解が溶け、そして自然と知識を深めることが出来たと思います。

偏った認知症感を正すには認知症の人の視点がもっとも大切であるとし、認知症当事者本人の活動や著書を紹介、また「認知症フレンドリーシティ」と名付けられた福岡市が推進する取り組みを案内して頂きました。人生会議に例えたACPや尊厳死、リビングウィルなど内容は多岐に渡るものでしたが、一貫していたのは「一緒に考えよう」いう視座です。

年を取れば誰でもなるもの、だからこそ安心して暮らせる街にしたいとの志に共感。
また橋田壽賀子さんと在宅医の小笠原文雄先生との対談内容を聞き、認知症の方々と共に考えることの必要性を深く理解することが出来ました。
アンケートでも「在宅ケアに関する情報を得ることが出来た」「認知症に対するイメージが変わった」「認知症との向き合い方を考えるよい機会になった」「大変わかりやすい説明」との高評価を頂きました。

 

「医療・看護・介護」をテーマにした研修会は、人生におけるエピローグを「財産じゃない方」からの視点で学ばせて頂いています。今年で4回目、回を重ねるほどご参会の方が増えています。
コロナ禍にありながら、講師をお引き受け頂いた園田先生には御礼の言葉が見つかりません。
おかげさまで滞りなく開催することが出来ました。有り難うございました!
思えば昨年の今頃も同じ状況でしたが、それでも今年はオンラインという形ですが延期も中止もなく開催が可能となったことに想いを巡らせれば、この1年お支え頂いた会員の皆さまに改めて感謝申し上げます。

またお会いしましょう!有り難うございました。