8月7日(土)、おかげさまで第8期フィナーレとなる研修会を開催することが出来ました。
3日前に「福岡コロナ特別警報」が発動されたばかりでしたが、滞りなく開催できたことに感謝申し上げます。
テーマは「限定承認・相続放棄の実務~限定承認の法務/税務対策としての生命保険活用術~」、講師は負債相続の第一人者であり司法書士の椎葉基史先生です。
ご多忙の中大阪から来福、駆けつけて下さいました。
負債相続の手続きには「難民が多い」と言います。椎葉先生はその理由について、相続人と専門家双方に問題があるといいます。
相続人側は負債相続のリスクを知らず「あわてて調べてわかる」、対する専門家側からの「支援が不足している」そして「専門家の知識不足」もその原因と位置づけます。
弁護士を訪ねても「出来ません」と言われ、司法書士なども同じ答えで、ようやく椎葉先生にたどり着く相談者も相当いらっしゃるとのこと。
専門家に断られ、行き場をなくして負債を相続してしまうケースや、遺産分割協議の場で負債まで話が及ばず法定相続分で負債を相続しているケースなど知るにつけ、相続対策における負債の視点と相続財産調査の重要性を振り返るきっかけを頂いたように思います。
加えて、最高裁の示す相続放棄の熟慮期間より家裁は柔軟に応じている例、相続財産の処分行為についてのアドバイスなど、現場を知る専門家しか知り得ない事もしっかり伝えて頂きました。
限定承認は目的があればこそ取るべき手段であることを示した上で、事例を用いて不動産の絡んだ債務超過について説明、自社株の先買権行使、不動産の譲渡所得税における特殊な取り扱い、生命保険金の活用場面などわかりやすくお話し頂きました。
二つ目の事例では国税徴収法15条にも話が及び、通常の売却や相続との違いを知り、税理士はもちろん、限定承認に精通した士業専門家を交えて検討すべき事を伝えて頂きました。
実は椎葉先生のご登壇は4年前についで2回目でしたが、今回はバージョンアップ。最後になりましたが生命保険の活用について触れて頂きました。負債の額だけ加入すると多額になるため、家族に「これだけは残したい」という財産の額だけ加入するのが良いのだとか。会社経営者にとって何かと安心をもたらしてくれる生命保険ですが、有益な活用だと知りました。
参加者の皆さまにも「限定承認の考え方や活用場面を想定できた」「わかりやすかった」「実務に沿った内容」「今後は限定承認の可能性も含めて検討したい」など、椎葉先生への高評価を頂きました。椎葉先生には特別なご配慮を頂いたかと思います。素晴らしいお話で大変有意義な時間を頂きました。有り難うございました。
また酷暑の中会場に駆けつけて頂いた皆さま、そして時間を工面してオンライン参加頂いた皆さま、貴重な時間を頂き有り難うございました。
振り返れば役員共々走りに走った8年間、「相続の本質は人の幸せ」という私たち相続マインズ福岡の理念に共感してくださる会員の皆さまと、素晴らしい講演で応じてくださった講師陣に支えて頂いたことを実感いたします。
この1年あまり、コロナ対策に振り回された感もありますが、成長もありました。なかでも会員の方々からのご協力のお申し出はマインズの財産が会員さんであることの証です。
本当に有り難うございます。
来期のスケジュールも講師の熱意に溢れた構成になっております。トークライブ形式など多種多様な形式で開催いたしますので、会場・オンラインと状況に合わせてご参加頂ければ嬉しいです。
来期も相続マインズ福岡をお引き立て頂きますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
またお会いしましょう!有り難うございました。